ドムドムバーガーはファストフードだから仕方ないと考えずに商品をつくること!?

 ドムドムハンバーガーを再建するために、藤崎はさまざまな施策に取り組んできた。その中で、特に印象に残っている出来事が3つあるという。
 1つ目は、「まるごと!カニバーガー」の大ヒットである。カニバーガー」の大ヒットである。ソフトシェルクラブのフライを丸ごとバンズで挟んだ大胆なビジュアルがSNSで話題となり、瞬く間に完売となった。
 この商品を発売して以来、注目を集めるようになったのは、「ファーストフードだからできない」といった固定観念にとらわれない、珍しいメニューの開発へのこだわりです。
 実際、「まるごとカニバーガー」は調理時間が数分しかかかりません。カニバーガー」は、調理に多くの工数を要する商品なのだ。加熱されていない冷凍のカニが店頭に並ぶ。それを流水で解凍し、水気を切り、しっかりと拭き取り、粉をまぶして揚げるという工程は、通常のファストフード店では考えられないほどの時間を要します。
 ファストフードだからできること、できないことを考えがちですが、そんなことは気にせず、お客様に喜んでいただけるものを作るようにしています」(藤崎さん)。
田村ゆかりのイベントコラボで予想の2倍売れた
 2つ目は、人気声優の田村ゆかりさんが幕張メッセで開催したイベントへの出店だ。
 キッチンカーでの出店を打診されたとき、当時はキッチンカーを持っていなかったこと、出店費用が高額になることなどから「社内で反対意見が多かった」(同)という。
 それでも、藤崎が出店しようとしたのには理由があった。それは、ドムドムハンバーガーの多くの店舗が、長い間スーパーマーケット内で営業していたため、客層が限定されていたことだ。再建のために新しい施策に挑戦するには、これまでの客層にとらわれない人の意見が必要だ。イベントに出店することで、今後の展開に役立つ反響が得られると考えたのだ。さらに、声優ファンはSNSとの親和性が高いので、どのようなメッセージを発信してくれるのかも気になるところでした。
 このイベントに合わせて、田村ゆかりをイメージした「ゆかりチキンバーガー」を開発しました。柴漬けとゆかりパウダーを使用したピンク色のタルタルソースが特徴的な商品です。1日500食が目標だったが、初日の売上は目標の2倍の約1,000食に。2日間で約1,900食を販売するために、在庫をかき集めることができた。
 多くのお客様がSNSに写真をアップしてくださり、さらに多くのお客様を惹きつけることができました。食べた人の反応を知りたい」という目的を直接達成することができたのです。